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情報はそれそのものより発信者を見るもの

始めに、年末恒例、ネット上の大掃除特集を読んだ、
ベテランジュウソイストさんの声です。

−−−−−−−−−−−−
年末になると、
お掃除の話題がちまたにあふれ、
重曹その他の自然素材を使ったやり方も、
あちらこちらで見かけます。が、
なかにはそうとうテキトーな記事も!

使ったことのない人が書いているのでしょうか、そもそも、
重曹は仕上げに使うものではなく、汚れを落とすもので、
仕上げがビネガーでしょ、と、ツッコミたくなったり。

間違った情報を発信する記事を読むと
ちょっと泣きたくなります(T^T)
−−−−−−−−−−−−

以下は、私からのお返事です。

−−−−−−−−−−−−
ジュウソイストさん、

こんにちは。ほんと、ネット上の情報は玉石混交ですね。
でも、サラッと見た人はサラッと忘れますから、
大丈夫ですよ(慰めになってない?)(^^;

大事なのは、情報でもモノでもそうですが、
本当にそれが欲しいと思った人が探したとき、
ここなら信頼できる、と思ってくださる本物の果実を、
差し出すことができるかどうか、ではないかと思います。

ん? ちゃんと落ちないけど、
どうしてだろう、と調べたとき、
しっかりした記事や書籍、ネット情報で本当の答えを得て、
その人がまた楽しく前進していけることが大事。

未来型自然生活の知恵の樹は、
エコロジカルな考えの市民が手に手に進んで水をやり、
世話をしているみんなの果実ですから、
客寄せの話題とはちょっと根っこが違うかな、と思っています。

日々、知恵と工夫を研究し、意見交換し、
誰がいつ訪ねてきてもよりどころとなる、
大きな野生の樹を育てましょう〜(^^)
−−−−−−−−−−−−


カテゴリ: プラネット日記 io 2014年12月03日(Wed) Permalink

布ナプケアについて

始めに、ご質問者の方のお話です。

−−−−−−−−−−−−−−
少し前に、布ナプに切り替えたのですけれど、
うまくナプキンをきれいにできなくて、悩んでいます。

シルクやオーガニックコットンの布ナプとか、
お値段高いけど、確かに心地よいので、
思いきって何枚か買ったのです。

毎月使うものだから、大事にしたいのに、
お店で勧められたようにセスキを使ったら、
確かに経血は落ちるけれども、
あっというまに布も傷んでボロボロに。

重曹で布ナプ、ケアできますか?
身体にやさしく、布ナプにもやさしく、
おだやかに清潔に暮らしていきたいのです。
−−−−−−−−−−−−−−

わかる、わかる、よく、わかります。
布ナプ、周りに聞くひとが誰もいなくて、
ひとりで始めたら少し大変だと思います。

お答えをつづるうち、わたしたちCPPスタッフの布ナプケアも、
以前、書籍『重曹でお洗濯! 肌にも地球にも優しいランドリー』(NHK出版 2006年)でお伝えしたときより、
また少しずつ進んで変化してきていることに気づきました。

以下は、ご質問への回答です。
公開して、またみなさまの工夫やお声もつのります。
セミナーの際やCPPへのネット上のメッセージなど、
お気づきのことや質問などお寄せください。

「女性専用」で話し合い、続けましょう。


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生理とランドリー

生理のときに、布ナプキンを使うと、
温かく、ほっとする感じで体に無理がありません。
その布ナプキンの自然で楽な洗濯の工夫を覚えましょう。
まず経血は、ケガをしたときに見るような通常の血液と異なり、
空気に触れても固まらない性質を持つことを知ってください。
血液はアルカリ溶液に入れるとよく落ちるので、
弱アルカリの重曹を使えば、手肌にやさしく、
大事なナプキンも長持ちさせるケアができます。

1 口の閉まる袋に少し重曹を振り入れ、
  使用済み布ナプキンは、そこに入れて持ち帰る。

2 底が深く、フタのできる小さな深型バケツを用意する。
  (できれば容器の中段に、布を支え、経血が抜け落ちるための、
  プラスチック等のメッシュの中底がつけられるとよい)

3 バケツに1%程度の重曹水を作り、
  そこに使用済み布ナプキンを直接漬ける。
  5分ほどで比重の重い経血はバケツの底にたまるので、
  そっとナプキンを引き上げる。
  重曹水には一晩ほど漬けておいてもよい。

4 重曹水に漬けたあと、ナプキンに残っている血液は、
  無理にゴシゴシこすらないで重曹石けんペーストを塗り、1日程度置く。
  その後やさしくもみ洗いし、いったん水ですすぐ。
  仕上げに酢水でリンスして重曹と石けんを中和分解し、水ですすぐ。

5 洗い上がりをチェックし、もしうっすらと血液のしみが残っている場合は、
  そのポイントにオキシドールをスプレーする。


もうひとつ、布ナプ生活を快適に送るために、
できれば「経血コントロール」を覚えましょう。
骨盤底筋は随意筋(意識でコントロールできる筋肉)です。
トレーニングは簡単で、誰でもできるようになります。
トイレでおおかたの経血を出せるようになると、
布ナプ自体も1日1枚か2枚で済むようになり、ケアが楽です。

もし生理痛や不順に悩んでらっしゃる場合は、
髪を上等なヘナで定期的にパックし、
デトックスする習慣もお勧めです。
婦人科の悩みが改善される例がたくさんあります。

布ナプと合わせて、
お体をいたわるヒントになさってください。

すてきな未来型自然生活を送られるよう、
心よりお祈りしています。
−−−−−−−−−−−−−−


カテゴリ: プラネット日記 io 2014年12月01日(Mon) ご意見、ご感想 Permalink

ご質問に答えて:「入浴剤に工業用の重曹を使っていいですか? 食用だと高いので」

重曹を入浴剤に使う際は、工業用のを使ってもいいですか?
とのご質問に答えて…

残念ながらお勧めできません。
工業用の重曹は原料として1%以内の不純物混入を認められており、
製造方法にもよりますが、その不純物の中に人体に有害なものが、
混入していないとは断言できないからです。体に使うには安全が第一です。

たとえば、お塩と同じように考えてください。以下はご参考までに、
同じ名前でもグレードが違えば、安全性と用途は全く異なるという例で。

薬用塩は生理食塩水や輸液など、手術や点滴に必要不可欠な素材です。
食卓塩は、料理や入浴など、人間の身体に近いところで家で安心して使えます。
工業塩は苛性ソーダや塩化ビニル、石けん、ガラスなどを作る原料に使います。

さて、では工業塩を食卓塩と同じように料理したり口に入れたり、
自分やご家族の身体に使ったりしようとお考えになりますか?

食用の重曹は高い、とのコメントは、
なにと比べるか、という視点のお話になると思います。

薬用と食用は純度でいえば同等の検査に合格していますので、
食用はむしろ重曹全体の中でコストパフォーマンスが高い、
つまり比較的安くて安全で、何にでも安心して使える、と、
評価できるのではないかと考えます。

いろいろな業者さんが食用の重曹を詰めて売ってらっしゃいますが、
同じ食用グレードでも価格には開きがあります。一例ですが、
私どもクリーン・プラネット・プロジェクトのネットショップでは、
生活者の視点で安全な食用重曹をまとめ買いで安くお分けしていますし、
ドラッグストアやホームセンターでは、CPPの趣旨に賛同して、
工業用(お掃除用)重曹の横で、食用重曹を、リーズナブルに、
一般販売し続けているメーカー(niwaQさんといいます)もあります。

あるいは、コストコなどの郊外にある大型輸入スーパーでは、
アームアンドハンマー(米国製、食用)の重曹を、
5kg、20kgといった大袋で輸入販売していますし、ネット上でも
オークション等で安く見かけることがあります。

ちなみに、海外では一般に手に入る重曹は「食用」のみで、
それが当たり前のグレードであり、安全性の常識となっています。

選ぶ目を持った市民が増えれば増えるほど、日本でも、
食用重曹の価格や安定供給のルートがこなれ育まれていくはずです。

海外の「当たり前」に近い価格を実現している国内の食用重曹の良心的な供給元を、
身近な手に入れやすいところで、ぜひお探しになってみてください。


カテゴリ: プラネット日記 io 2014年07月08日(Tue) ご意見、ご感想 Permalink

いちばん大事な旅の「お友」

また少し旅をすることになって、
最初に用意したもの。
おかしくなって写真を撮った。

いつも、どこに行くにも、
まずこういうセットを用意している。
旅の長さと、行った先の水の硬さと、衛生のこと、
気温、運動量、などなどを考え。

これで洗濯も入浴も朝の身支度も、
全部すますのだもの。真剣。

tabijitaku

今回は、
まず小さめのペットボトルに、
ラベンダーの精油で香りを付けた重曹を詰めた。

いい香りの入浴剤にもなるし、
うがいや歯みがきにも便利だから。

コンパクトなミスト化粧水の空きボトルに除菌リキッド。
暑いと聞いたので、麻の服をたくさん持っていくのだけれど、
これさえあれば安心。ホテルクリーニングなしでシワしらず。
旅の間、同じ服を、後日、別のコーディネートで、
気持ちよく着回しできる。
テントに泊まる日は、寝床の簡易消毒もできるし。

ペットボトルよりもっと小ぶりなプラボトルには、
クエン酸パウダー。
水が硬いところでは、クエン酸は多めに。
これまでに学んだ重要なポイント。
手洗い洗濯の仕上がりが違います。
もちろん、髪を洗った日は、
これでリンスする。

ボトル類の下に見えるのは、
ごく薄い麻の生地でできたボディ洗い用のミトン。
黒いのはメッシュのポーチです。
乾きがいいように。

いちばん右は、オリーブオイル100%の石けん。
朝夕、これで顔と体を洗っていれば、
乾燥地帯をめぐるとき、
きっと肌の状態を守ってくれると思う。

これらが揃ったので、
まずは一安心。

さて次は通信グッズを用意せねば…。


カテゴリ: プラネット日記 io 2011年07月09日(Sat) ご意見、ご感想 Permalink

子どもじみよう

壊れてしまった4つの原子炉は、
事故から4カ月経とうとしている今も、
ダラダラと放射性物質を出し続けている。

あれから、何一つ収められていない。
汚染を止められない。
弁が自動だったのに手動にしたとか、
吸着性能がどうだとか、
毎日、なんらかのニュースが流れるが、
本当に問題なのはそこではないだろう。

マグマ状の燃料は、
今どこにある?

わかっていながら言わないのが、
いつもの手だ。そのようにすれば、
世論が軟着陸すると思っているのだろうか。
それほど私たちは、忘れやすく、愚かだと、
思われているのだろうか。

今の快楽を長続きさせるために、
未来の犠牲を何とも思わない、
あえて知らせなければうまく騙される、
「かわいい」民草だと思われていると思うと、
腹の底から怒りがわいてくる。

私たちが目をそらさずに見つめるべきなのは、
電力予報ではなく、増税論議でもなく、
10万年もの間、保管すべき放射性廃棄物という、
だれも引き受けようのない最悪のゴミを、
捨て場所もないのに作り続けている、
原発というシステムを終わりにすることだ。

そこには、どんな人間の都合も通用しない。
景気? 自治体? エネルギー需要?
そのようなものは自然の都合の前には無力だ。

ことに宇宙を創り上げてきた、
激しい自然の側にしてみれば、
始末も考えずに突き進み、
「そのうちなんとかなるだろう」と、
「誰かがなんとかしてくれるだろう」と、
タカをくくる私たちの傲慢さが、
片腹痛いに違いない。

環を作ること。
循環し、再生し、次の命を育む営みの、
ささやかな一部になろうとすること。

それ以外のあらゆる「大人の都合」に、
「NO!」という。

まずはそこから始めようと思う。
ものわかりの悪い、
子どもじみた人間として。


カテゴリ: プラネット日記 io 2011年07月02日(Sat) ご意見、ご感想 Permalink

原発事故が2か月続いて

全炉心融解。

福島の原発に関する情報は、
日本の人々の様子を見ながら小出しにされ、
実際はもっとひどかったのだ、と、
後になって知らされる状況が続いている。

そして今今の今、今このときも、
溶けた核燃料は、大量の放射性物質を、
ほとんどさえぎられることなく、
空にも海にも放出し続けている。

それはこの先何か月も続くのだ。
なにも落ち着いてはいない。
悪夢が日常になっただけで。

チェルノブイリよりも、悪い。
これまで人類が経験したことのない、
地球規模の汚染をどんどんまき散らしている、
最悪の事故がまだ継続中であるということを、
私たちはよくよく認識したほうがよい。

土と水と食べ物と。
ほかに置き換えのできない、かけがえのないものを、
子供たちの未来に無事に引き渡さなくてはいけないものを、
こんなに汚して…汚し続けて…。

体の中に取り込んでしまうこと(内部被爆)を、
できる限り避けるように、知恵をしぼって生活しよう。
それでも取り込んでしまう。きっと。
でも努力し続けることで、
しないよりも減らすことはできるはずだから。

まず、マスコミの論調に惑わされないこと。
彼らは正確なことを知らされてそのまま言うこともあるが、
その解釈が間違っていることもある。また、あえて間違いを、
みんなで赤信号をわたっちゃえとばかりに、
いっせいに振りまくこともある。
ねじ曲がったように言うよう、いろいろな筋から、
「お願い」が来ていることもある。
信じすぎてはいけない。

家族の食と健康を支えるためには、
「生産者の顔の見える」食べ物を、
できるだけ増やすようにしよう。
ストックしておける安全な食べ物は、
一年分、場合によっては二年分、
確保しておくとよい。

そんな大げさな?

そうだったかどうかは、
いずれわかる。
笑われて済むならば、
杞憂といわれるほうを選ぶ。

冷静に、がんばるのだ。


カテゴリ: プラネット日記 io 2011年05月20日(Fri) ご意見、ご感想 Permalink

汚染はこれから長く長く続くから…

壊れた原発から出ている放射性物質は、
近隣はもちろん、風に乗って数百キロを旅し、
関東一円に降ってきている。

それは一瞬も休むことなく続き、
1時間あたりではなく、事故が始まって以来、
積もり続けている。半減期の短いものだけではない。
何十年経っても影響の残るものも降っている。

空からだけでなく、数日前からは、
水と食べ物からどれだけ摂るかも、
合計して考えなくてはならなくなった。
汚染は土と海に広がり、深まり、
これから長く長く、考慮することになるだろう。

まずは漏れが止まるといいのだけれど、
その見通しは立っていないように見える。

限られた水と食料で、
そして少ないエネルギーで、
いのちとくらしをすこやかに守る知恵を、
もっと伝えていこうと思う。

これまでエコな暮らしのための、
知恵や物資だと思っていたもの。

その多くはエコのためだけでなく、
非常時にとても役立つということ、
つまりは暮らしやすさ、生きていきやすさに、
大きく関わっているということを、
ちゃんと声にして伝えていこうと思う。

当たり前と思って、
どこかおろそかになっていたことを、
今、猛反省している。


カテゴリ: プラネット日記 io 2011年03月27日(Sun) ご意見、ご感想 Permalink

それはシフォンケーキに似ていた

クリームクレンザーという、
使いやすい天然素材の洗剤レシピを使って、
実に20年以上掃除をしていないと思われる、
換気扇をクリーニングする機会があった。

シロッコファンに、
たっぷりクリームクレンザーを塗る。
細かいブレードに全部当たるように塗ると、
思った量の3倍のクリームが必要だった。

少しあたためて汚れの分解を待つ。
数時間経って、さあ、落としてみようか、
というところからは、あまりの汚れ落ちのすごさに、
その場に居合わせた全員の注意がファンに集中した。

ごっそり落ちるのだ。数十年分の汚れが。
もはやフィルム状になって固まった汚れが、
ポコっとはがれるように、あるいはボロボロ切れて、
少し固くなったクリームごと落ちていく。

おおまかにこそげたあとはお湯で流すと、
みるまに残りの汚れも溶けて消えていった。

固唾を飲んで見守っていたせいか、
終わったあと、ひどくのどが渇いた。
もう終わったのに、目をつぶると、
そのあとも「汚れのケーキ」が見える。
重曹のクリームに覆われたシフォンケーキ。

かつてその家に暮らしていた家族の、
記憶ともいえない、もっとかすかな痕跡のようなもの。
分解され、解き放たれてほっとしているだろうか。


カテゴリ: プラネット日記 io 2010年11月10日(Wed) ご意見、ご感想(2通) Permalink

ハチミツのお礼

車が、カーブの多い山道に入ると、
それまでの四角い建物の列が見えなくなり、
窓の景色がまったく変わった。

急に木立に囲まれ、無口になる。
ひとりひとりの内側で緑を感じている。

吉松さんは、
待ち合わせた郵便局の前で、
手を振って迎えてくださった。

里山には心やすらぐ空気が流れていて、
午後のやさしい風が吹き、
虫たちが飛びまわっている。

しばらくするうちに、
子供たちの表情が全然違ってきた。

驚く。見とれる。怖がる。おしゃべりになる。

だんだん元気になっていくのがわかり、
こちらもうれしくなった。

今回、対面を楽しみにしてきた日本ミツバチは、
ミツバチと思えないくらい地味な見かけだった。
なにか、茶色っぽい小さい虫(働きバチ)が、
木箱の回りにたくさんうごめいている。

吉松さんによると、この夏、
集団で逃げ出す群れが相次いだという。
新しい農薬のネオニコチノイドは、
水溶性で植物体に吸収され、かつ環境に流れ出すため、
作物と関係のないハチやトンボたちまで狂わせているのではないか。
ごく身近の自然の激変に危機を感じると、何度もくり返した。

遁走しなかった群れの巣を、
ごく近くまでそっと寄って観察する。

繊細な羽音が響く。
黄色に黒のシマシマ、というイメージがガラガラと崩れ、
ひときわ小さな体でよく働く様子に感心する。

キイロスズメバチが一匹、
巣箱のまわりをウロウロ飛んでいたと思ったら、
働きバチをひょっと一匹、捕まえて飛んでいってしまった。

ほどなく今度はオオスズメバチが一匹飛来。
しかしこちらは、カチカチと攻撃音を出す間もなく、
一目でそれと確認した吉松さんに叩き落とされる。

オオスズメバチは、
巣のそばに待ち構えて次々と働きバチをかみ殺し、
地面に死骸の山を作るので始末が悪いのだという。

キイロのほうは、体も小さいし、
下手をするとミツバチに取り囲まれて殺されることもある。
まだイーブンなのだと。

一匹の働きバチが一生涯に集める蜜は、
ティースプーン半分だという。
春先、まだ蜜が十分にないころ、
ハチたちが吉松さんのところにやってきて、
ちょっと皮膚をかじっていくという話にも驚いた。

痛くないのかと聞くと、けっこう痛いけれど、
どうも巣の幼虫のためにたんぱく質が足りないのか、
ガマンしているとの答え。蜜が取れ出すと、
かじらなくなるそうだ。

この秋は山の実りが少ないのか、
蜜を狙う熊に何個も巣箱を壊されたそうだ。
でもだからといって困ったとか、退治せねば、とか、
いっさい言わない。

この里山を訪れるたび、
人の「賢さ」について、深く考えさせられる。

遠い都会では生物多様性について大きな世界会議が行われ、
生物資源利用の公平性が話し合われた。
ある資源で儲けた者は、その資源を産出した者にも、
利益を還元していくことが大筋合意されたという。
ただし、植民地時代の事案までは遡らない、と。

ハチミツの分け前が変わっただけだ。

本当の公平性を考えるなら、
その利益はおおもとの自然に帰すのがふさわしい。

分け前とお礼は違う。

何を、どんなふうに返せばいいか、
わかっているわけではないけれども。

わからなくても考える。
ずっと考えることが大事なのだと思う。


カテゴリ: プラネット日記 io 2010年10月30日(Sat) ご意見、ご感想 Permalink

洗いの水は美しいか

北海道からイクラの醤油漬けが届いた。
昨夕発送され、今朝到着した、
新鮮そのものの赤く美しい光の粒たち。

とりあえず小分けにして冷凍しよう、と思ったけれど、
見たとたん、気が変わってごはんを炊いた。

なんという美味しさ。
お醤油の香りもすばらしい。
まさに命の洗濯だと思った。

朝食のあと、今度は本当にお洗濯。
コースプログラムを組んで重曹を投入する。
スイッチを押しているとき、ふと声が聞こえた。

 洗いの水は美しいか?
 衣々を動かすほどに。

すばらしい経験をして、魂がよみがえるように思うことを、
「命の洗濯をした」というなら、
リアルのお洗濯だって、そのようであるのが理想だろう。

「よみがえり」とは、
死の国から帰ってくることだという。

とすれば…

洗われることこそ、現れることではないか。
魂も、衣も、より美しいものに出会い、清められて、
再びこの世に帰ってくる。

パタンと洗濯機のふたを閉める。
暗い槽の中、突然、水が噴き出す。
重曹が溶け、布にしみわたる。
その様子を想い、自答する。

 うん。わりと美しい水だと思うよ。
 今日も、洗濯物が喜んでくれるといいね。


カテゴリ: プラネット日記 io 2010年09月26日(Sun) ご意見、ご感想 Permalink
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