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あとがき
「なぜ胃薬でものがきれいになるんだろう」
重曹を中心とする自然な物質の組み合わせで、完全に暮らしのメンテナンスができることに気づかせていただいた最初のきっかけは、なんとも奇妙な、こんな疑問でした。
それからはや九年が経とうとしています。その間に出合った重曹の姿は、単なるアルカリの一種という予想をはるかに超えたものでした。
それは、どこにでも顔を出しました。海、温泉、血、点滴、お菓子、飲み物、入浴剤、飼料、消火剤、農業資材……。
なかでも、なぜ私たちは呼吸するのかという根本的な問題に関わっていると知ったとき、ああ、これは「生き物=息をするもの」が命を保ち続ける仕組みそのものなのかと驚いたことでした。
私たちも重曹を下支えにすれば、あるべき環境のバランスを回復できるかもしれません。生き物が命のバランスを取り戻し、ふたたび元気になるように。
暮らしの中でほころび、いたんでくるものを日々ケアし、よみがえらせる。家事とはハウスキーピング(家を保つ)ではなく、本当はライフキーピング(命を保つ)なのではないでしょうか。
この本はそんな発想で洗濯という家事を見直したものです。読者の皆さまが命をケアするように日常をケアするお役に立てば、とても幸いです。
刊行にあたり、全編の青写真から滞りがちな筆者のおしりたたきまで、粉骨砕身くださったNHK出版の青木ゆかりさんとご関係の皆さまに心から感謝を申し上げます。
またいつも新しい知恵と工夫を積み上げてくださるCPPスタッフとサイト閲覧者の皆さまにも深くお礼を申し上げます。
これからも自然の理という永遠の宝を手に、輝く未来のドアをともに開いていきましょう。
二〇〇六年十一月 岩尾明子 |