布ナプケアについて

始めに、ご質問者の方のお話です。

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少し前に、布ナプに切り替えたのですけれど、
うまくナプキンをきれいにできなくて、悩んでいます。

シルクやオーガニックコットンの布ナプとか、
お値段高いけど、確かに心地よいので、
思いきって何枚か買ったのです。

毎月使うものだから、大事にしたいのに、
お店で勧められたようにセスキを使ったら、
確かに経血は落ちるけれども、
あっというまに布も傷んでボロボロに。

重曹で布ナプ、ケアできますか?
身体にやさしく、布ナプにもやさしく、
おだやかに清潔に暮らしていきたいのです。
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わかる、わかる、よく、わかります。
布ナプ、周りに聞くひとが誰もいなくて、
ひとりで始めたら少し大変だと思います。

お答えをつづるうち、わたしたちCPPスタッフの布ナプケアも、
以前、書籍『重曹でお洗濯! 肌にも地球にも優しいランドリー』(NHK出版 2006年)でお伝えしたときより、
また少しずつ進んで変化してきていることに気づきました。

以下は、ご質問への回答です。
公開して、またみなさまの工夫やお声もつのります。
セミナーの際やCPPへのネット上のメッセージなど、
お気づきのことや質問などお寄せください。

「女性専用」で話し合い、続けましょう。

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生理とランドリー

生理のときに、布ナプキンを使うと、
温かく、ほっとする感じで体に無理がありません。
その布ナプキンの自然で楽な洗濯の工夫を覚えましょう。
まず経血は、ケガをしたときに見るような通常の血液と異なり、
空気に触れても固まらない性質を持つことを知ってください。
血液はアルカリ溶液に入れるとよく落ちるので、
弱アルカリの重曹を使えば、手肌にやさしく、
大事なナプキンも長持ちさせるケアができます。

1 口の閉まる袋に少し重曹を振り入れ、
  使用済み布ナプキンは、そこに入れて持ち帰る。

2 底が深く、フタのできる小さな深型バケツを用意する。
  (できれば容器の中段に、布を支え、経血が抜け落ちるための、
  プラスチック等のメッシュの中底がつけられるとよい)

3 バケツに1%程度の重曹水を作り、
  そこに使用済み布ナプキンを直接漬ける。
  5分ほどで比重の重い経血はバケツの底にたまるので、
  そっとナプキンを引き上げる。
  重曹水には一晩ほど漬けておいてもよい。

4 重曹水に漬けたあと、ナプキンに残っている血液は、
  無理にゴシゴシこすらないで重曹石けんペーストを塗り、1日程度置く。
  その後やさしくもみ洗いし、いったん水ですすぐ。
  仕上げに酢水でリンスして重曹と石けんを中和分解し、水ですすぐ。

5 洗い上がりをチェックし、もしうっすらと血液のしみが残っている場合は、
  そのポイントにオキシドールをスプレーする。

もうひとつ、布ナプ生活を快適に送るために、
できれば「経血コントロール」を覚えましょう。
骨盤底筋は随意筋(意識でコントロールできる筋肉)です。
トレーニングは簡単で、誰でもできるようになります。
トイレでおおかたの経血を出せるようになると、
布ナプ自体も1日1枚か2枚で済むようになり、ケアが楽です。

もし生理痛や不順に悩んでらっしゃる場合は、
髪を上等なヘナで定期的にパックし、
デトックスする習慣もお勧めです。
婦人科の悩みが改善される例がたくさんあります。

布ナプと合わせて、
お体をいたわるヒントになさってください。

すてきな未来型自然生活を送られるよう、
心よりお祈りしています。
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ご質問に答えて:「入浴剤に工業用の重曹を使っていいですか? 食用だと高いので」

重曹を入浴剤に使う際は、工業用のを使ってもいいですか?
とのご質問に答えて…

残念ながらお勧めできません。
工業用の重曹は原料として1%以内の不純物混入を認められており、
製造方法にもよりますが、その不純物の中に人体に有害なものが、
混入していないとは断言できないからです。体に使うには安全が第一です。

たとえば、お塩と同じように考えてください。以下はご参考までに、
同じ名前でもグレードが違えば、安全性と用途は全く異なるという例で。

薬用塩は生理食塩水や輸液など、手術や点滴に必要不可欠な素材です。
食卓塩は、料理や入浴など、人間の身体に近いところで家で安心して使えます。
工業塩は苛性ソーダや塩化ビニル、石けん、ガラスなどを作る原料に使います。

さて、では工業塩を食卓塩と同じように料理したり口に入れたり、
自分やご家族の身体に使ったりしようとお考えになりますか?

食用の重曹は高い、とのコメントは、
なにと比べるか、という視点のお話になると思います。

薬用と食用は純度でいえば同等の検査に合格していますので、
食用はむしろ重曹全体の中でコストパフォーマンスが高い、
つまり比較的安くて安全で、何にでも安心して使える、と、
評価できるのではないかと考えます。

いろいろな業者さんが食用の重曹を詰めて売ってらっしゃいますが、
同じ食用グレードでも価格には開きがあります。一例ですが、
私どもクリーン・プラネット・プロジェクトのネットショップでは、
生活者の視点で安全な食用重曹をまとめ買いで安くお分けしていますし、
ドラッグストアやホームセンターでは、CPPの趣旨に賛同して、
工業用(お掃除用)重曹の横で、食用重曹を、リーズナブルに、
一般販売し続けているメーカー(niwaQさんといいます)もあります。

あるいは、コストコなどの郊外にある大型輸入スーパーでは、
アームアンドハンマー(米国製、食用)の重曹を、
5kg、20kgといった大袋で輸入販売していますし、ネット上でも
オークション等で安く見かけることがあります。

ちなみに、海外では一般に手に入る重曹は「食用」のみで、
それが当たり前のグレードであり、安全性の常識となっています。

選ぶ目を持った市民が増えれば増えるほど、日本でも、
食用重曹の価格や安定供給のルートがこなれ育まれていくはずです。

海外の「当たり前」に近い価格を実現している国内の食用重曹の良心的な供給元を、
身近な手に入れやすいところで、ぜひお探しになってみてください。

なぜイセヒカリ玄米は2kg真空パックなのか?

あのう、
真空にしたら、
イセヒカリの玄米、
息がつまって死んでしまう、
なんてこと、ありませんか?

この質問を投げかけたとき、
あまりに意外な内容だったのでしょう、
農家であると同時に科学者でもある、
吉松さんのリアクションは「目が点になる」、
といった感じでした。

が、次の瞬間、破顔一笑、
そうかそうか、人間の身から想像すれば、
そう考えて疑問を持つこともありえますね、と、
以下のことを教えてくださいました。

「泥炭の中で発見された大賀ハスのこと、知っていますか」

はい。2000年前の地層から発見された縄文時代の実から、
東大の大賀博士が発芽に成功した、古代のハスですね。

「そうです。あれがよい例ですが、
 ハスや水稲といった水生植物の種子は、
 乾燥して酸素のない状態で休眠すると、
 100年以上、発芽能力を保ったまま、
 生き続けることができるんですよ」

100年以上??

「ヨーロッパの麦には130年前の種が芽を出した、
 という記録がありますし、日本のイネにも、たとえば、
 古い蔵の土壁に塗り込められたモミが、
 壁から取り出されると発芽する、
 といったことがおこります。
 
 わが家の古い蔵を建て直したときに出てきたモミも、
 明治時代の品種ですが、ちゃんと発芽しましたよ。
 そうめずらしいことではありません」
 
壁に塗り込められた状態というのは、
ほぼ無酸素状態ですよね。

「酸素というのは、
 私たちがふだん生きて活動するには必要でも、
 本来、生き物にとって害が大きいものです。

 きちんと乾いたイネの種子は、
 むしろ酸素のない状態のほうが、
 安全に、長い間、発芽能力を維持できます。

 まして玄米は、
 外をおおっているはずのモミ殻が取りのぞかれた、
 無防備な“裸”の状態なので、
 そのぶんいっそう、酸素によって傷つきやすい。

 玄米表面の脂肪酸も、酸素があれば、
 当然、“酸化”が進んでしまいますね。

 酸素はないほうがいいのです」

なるほど。真空パックにすることで、
玄米を、発芽能力のある生きたお米のまま、
袋を開けるまでおいしく眠らせることができるのですね。
それに、無酸素にすればやっかいな虫害も封じることができる。
一石二鳥、なんてすばらしいのでしょう。

「そのかわり、パックを開けたら冷蔵庫か冷凍庫に保存し、
 酸化や虫、カビなどを防ぎつつ早めに食べてください」

となると、2kg単位で小分けになっていることが、
とても便利ですね。女性も持ち運びしやすいですし、
一袋分が多すぎないですから、少人数の家庭でも、
食べきるのにそんなに苦労しないはず。

それに、真空パックはカチカチのブロック状態ですから、
なんなら本棚にでも、ふつうに立てて並べておけます。(笑)
どこでも常温で長期間保管できるので、
米びつから解放され、ほんとうに助かります。

「パックの透明ポリ袋は、
 まったく空気を通さないというわけではなく、
 わずかに出入りがある素材と考えてください。
 それゆえ、吉松農園では出荷の際、玄米を入れて、
 封をする前の袋に、脱酸素剤をポンと入れるだけですが、
 それがだんだんと真空になり、
 あのように自然にカチカチに固まるんです」

手間いらず。
味落ちず。
虫おらず。

作り手にも食べ手にも、
そしてお米自身にもメリットがある。

だからこそ、
無農薬栽培された貴重なイセヒカリ玄米は、
2kg真空パックでお届けします。

ふだん、私たちがスーパーやお米屋さんで見かけるお米の袋とは、
ちょっと違っているかもしれませんが、
特別な装置や薬品なしで玄米を保存し、手軽に輸送できる、
吉松さんのあざやかなアイデアです。

シンプル イズ ザ ベスト。
よく考えられた解決法は、
いろんな問題をいっぺんに終わらせてくれますね。

安心して、一袋ずつ、
おいしく召し上がってください。

いちばん大事な旅の「お友」

また少し旅をすることになって、
最初に用意したもの。
おかしくなって写真を撮った。

いつも、どこに行くにも、
まずこういうセットを用意している。
旅の長さと、行った先の水の硬さと、衛生のこと、
気温、運動量、などなどを考え。

これで洗濯も入浴も朝の身支度も、
全部すますのだもの。真剣。

tabijitaku

今回は、
まず小さめのペットボトルに、
ラベンダーの精油で香りを付けた重曹を詰めた。

いい香りの入浴剤にもなるし、
うがいや歯みがきにも便利だから。

コンパクトなミスト化粧水の空きボトルに除菌リキッド。
暑いと聞いたので、麻の服をたくさん持っていくのだけれど、
これさえあれば安心。ホテルクリーニングなしでシワしらず。
旅の間、同じ服を、後日、別のコーディネートで、
気持ちよく着回しできる。
テントに泊まる日は、寝床の簡易消毒もできるし。

ペットボトルよりもっと小ぶりなプラボトルには、
クエン酸パウダー。
水が硬いところでは、クエン酸は多めに。
これまでに学んだ重要なポイント。
手洗い洗濯の仕上がりが違います。
もちろん、髪を洗った日は、
これでリンスする。

ボトル類の下に見えるのは、
ごく薄い麻の生地でできたボディ洗い用のミトン。
黒いのはメッシュのポーチです。
乾きがいいように。

いちばん右は、オリーブオイル100%の石けん。
朝夕、これで顔と体を洗っていれば、
乾燥地帯をめぐるとき、
きっと肌の状態を守ってくれると思う。

これらが揃ったので、
まずは一安心。

さて次は通信グッズを用意せねば…。

子どもじみよう

壊れてしまった4つの原子炉は、
事故から4カ月経とうとしている今も、
ダラダラと放射性物質を出し続けている。

あれから、何一つ収められていない。
汚染を止められない。
弁が自動だったのに手動にしたとか、
吸着性能がどうだとか、
毎日、なんらかのニュースが流れるが、
本当に問題なのはそこではないだろう。

マグマ状の燃料は、
今どこにある?

わかっていながら言わないのが、
いつもの手だ。そのようにすれば、
世論が軟着陸すると思っているのだろうか。
それほど私たちは、忘れやすく、愚かだと、
思われているのだろうか。

今の快楽を長続きさせるために、
未来の犠牲を何とも思わない、
あえて知らせなければうまく騙される、
「かわいい」民草だと思われていると思うと、
腹の底から怒りがわいてくる。

私たちが目をそらさずに見つめるべきなのは、
電力予報ではなく、増税論議でもなく、
10万年もの間、保管すべき放射性廃棄物という、
だれも引き受けようのない最悪のゴミを、
捨て場所もないのに作り続けている、
原発というシステムを終わりにすることだ。

そこには、どんな人間の都合も通用しない。
景気? 自治体? エネルギー需要?
そのようなものは自然の都合の前には無力だ。

ことに宇宙を創り上げてきた、
激しい自然の側にしてみれば、
始末も考えずに突き進み、
「そのうちなんとかなるだろう」と、
「誰かがなんとかしてくれるだろう」と、
タカをくくる私たちの傲慢さが、
片腹痛いに違いない。

環を作ること。
循環し、再生し、次の命を育む営みの、
ささやかな一部になろうとすること。

それ以外のあらゆる「大人の都合」に、
「NO!」という。

まずはそこから始めようと思う。
ものわかりの悪い、
子どもじみた人間として。

原発事故が2か月続いて

全炉心融解。

福島の原発に関する情報は、
日本の人々の様子を見ながら小出しにされ、
実際はもっとひどかったのだ、と、
後になって知らされる状況が続いている。

そして今今の今、今このときも、
溶けた核燃料は、大量の放射性物質を、
ほとんどさえぎられることなく、
空にも海にも放出し続けている。

それはこの先何か月も続くのだ。
なにも落ち着いてはいない。
悪夢が日常になっただけで。

チェルノブイリよりも、悪い。
これまで人類が経験したことのない、
地球規模の汚染をどんどんまき散らしている、
最悪の事故がまだ継続中であるということを、
私たちはよくよく認識したほうがよい。

土と水と食べ物と。
ほかに置き換えのできない、かけがえのないものを、
子供たちの未来に無事に引き渡さなくてはいけないものを、
こんなに汚して…汚し続けて…。

体の中に取り込んでしまうこと(内部被爆)を、
できる限り避けるように、知恵をしぼって生活しよう。
それでも取り込んでしまう。きっと。
でも努力し続けることで、
しないよりも減らすことはできるはずだから。

まず、マスコミの論調に惑わされないこと。
彼らは正確なことを知らされてそのまま言うこともあるが、
その解釈が間違っていることもある。また、あえて間違いを、
みんなで赤信号をわたっちゃえとばかりに、
いっせいに振りまくこともある。
ねじ曲がったように言うよう、いろいろな筋から、
「お願い」が来ていることもある。
信じすぎてはいけない。

家族の食と健康を支えるためには、
「生産者の顔の見える」食べ物を、
できるだけ増やすようにしよう。
ストックしておける安全な食べ物は、
一年分、場合によっては二年分、
確保しておくとよい。

そんな大げさな?

そうだったかどうかは、
いずれわかる。
笑われて済むならば、
杞憂といわれるほうを選ぶ。

冷静に、がんばるのだ。

汚染はこれから長く長く続くから…

壊れた原発から出ている放射性物質は、
近隣はもちろん、風に乗って数百キロを旅し、
関東一円に降ってきている。

それは一瞬も休むことなく続き、
1時間あたりではなく、事故が始まって以来、
積もり続けている。半減期の短いものだけではない。
何十年経っても影響の残るものも降っている。

空からだけでなく、数日前からは、
水と食べ物からどれだけ摂るかも、
合計して考えなくてはならなくなった。
汚染は土と海に広がり、深まり、
これから長く長く、考慮することになるだろう。

まずは漏れが止まるといいのだけれど、
その見通しは立っていないように見える。

限られた水と食料で、
そして少ないエネルギーで、
いのちとくらしをすこやかに守る知恵を、
もっと伝えていこうと思う。

これまでエコな暮らしのための、
知恵や物資だと思っていたもの。

その多くはエコのためだけでなく、
非常時にとても役立つということ、
つまりは暮らしやすさ、生きていきやすさに、
大きく関わっているということを、
ちゃんと声にして伝えていこうと思う。

当たり前と思って、
どこかおろそかになっていたことを、
今、猛反省している。